物理基礎:電磁気学第4講 静電誘導・誘電分極

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今回は静電誘導・誘電分極について学びます。

 

静電誘導とは、導体に電荷をもった物体(=帯電体)を近づけると、導体中の自由電子が移動し、電荷の分布が偏るという現象です。

一方で誘電分極とは、不導体に帯電体を近づけると、原子や分子がもつ電子の分布が偏るという現象です。

 

一体なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

一緒に考えていきましょう。

 

静電誘導

冒頭にも述べたように、静電誘導とは、導体に電荷をもった物体(=帯電体)を近づけると、導体中の自由電子が移動し、電荷の分布が偏るという現象です。

「導体」と「自由電子」というところがポイントです。

 

導体に+の電荷をもった帯電体を近づけると、どのような変化が起こるでしょうか?

 

+の電荷と-電荷の間には引力がはたらきますね。そのため、導体中の-の電荷(=自由電子)が帯電体がある方へと引き寄せられていきます。電子が移動してしまった原子は、+に帯電します。

 

したがって、帯電体側にはーの電荷が集まる一方で、その反対側は+の電荷を帯びます。

静電誘導

では、導体に近づける帯電体の電荷をーに変えるとどうなるでしょうか?

簡単ですね。電荷を逆にすればいいのです。つまり、帯電体側に+の電荷、その反対側にーの電荷が集まります。

 

このように導体に帯電体を近づけると、自由電子が動くことで導体中の電荷の分布に偏りが生まれます。この現象を静電誘導といいます。

電子が自由に動けるからこそ、静電誘導が起こるのです。

(自由電子が帯電体の電荷によって「誘導」されるので、静電誘導といいます)

 

では、電子が自由に動けない不導体に帯電体を近づけると、不導体中の電子はどのように動くのでしょうか?

 

誘電分極

誘電分極とは、不導体に帯電体を近づけると、原子や分子がもつ電子の分布に偏りが生まれるという現象です。

といわれても、よくわからないと思うので、図を使って詳しく説明しましょう。

 

不導体に+の電荷をもった帯電体を近づけてみましょう。

静電誘導のときと同じように、電子には引力がはたらきます。しかし、今回は自由電子ではないので、電子は原子内でしか動けません。

そのため電子は原子内で、帯電体側に偏って分布します。

 

すると、原子レベルという非常に小さい単位ですが、+とーで電荷が分かれます(これを分極といいます)。

誘電分極

不導体中のたくさん原子や分子がそれぞれ上の図のように分極していくと、不導体全体では下の図のようになります。

 

誘電分極2

図にも書いてありますが、分極した原子・分子同士で電荷を打ち消し合い(破線部)、実質的に残るのは表面部分(実線部)のみになります。

 

このように、不導体に帯電体を近づけると原子内で電子の分布が偏り、分極が起こります。これが誘電分極なのです。

(帯電体の電荷によって、「分極」が引き起こされるので誘電分極といいます)

 

まとめ

今回学んだことをまとめます。

 

導体・不導体に帯電体を近づけると…

    • 導体 ⇒ 静電誘導
      • 自由電子が動き、導体の電荷分布が偏る
    • 不導体 ⇒ 誘電分極
      • 原子内で電子の分布が偏る

 

今回は静電誘導・誘電分極を学びました。
次回は、定期テストに必ず出題されますが、苦手な人が多いはく検電器を扱います。
苦手になりやすいはく検電器の問題も、第3講、4講で学んだをしっかり押さえていれば、簡単に解くことができます!
次回も頑張っていきましょう!