今回学ぶのは「静電気」です。みなさんが身近に感じられる電気現象の1つだと思います。ドアノブを触ろうとしたらバチッとしたり、頭に下敷きをこすると髪が立ったりするあれです。なぜこのような現象が起こるのでしょうか?
静電気とは?
なんで、「静」電気?
まず静電気という言葉の由来を、静電気が生まれる過程を簡単に追いながら考えましょう。
前回、原子の構造と電荷について学んだことを思い出してみましょう。「原子は+の電荷をもった原子核と、-の電荷をもった電子で構成されていて、原子全体の電荷は0」でしたね。
原子の電荷が0であれば、原子から構成される物体は、普段は電荷をもたないはずです。
しかし、なんらかの原因によって物体が電気を帯びる(=電荷をもつ)ことがあります。この帯びた電気は、静止したままで動くことはありません。そこで、この静止した電気を「静電気」と名付けたのです。
なぜ静電気を帯びる?
原子には電子を受け取りやすい性質をもつものと、電子を放しやすい性質をもつものがあります。これらの原子の性質に由来して、物体にも電子を受け取りやすい(=負に帯電しやすい)ものと、電子を放しやすい(=正に帯電しやすい)ものがあります。
この負に帯電しやすいものと正に帯電しやすいものが、繰り返しこすれ合ったりぶつかり合ったりすると、原子では下図のような電子の移動が起こります。
ゴムやポリエチレンなどは負に帯電しやすい性質があります。このような負に帯電しやすいものを身に着けていると、気づかぬうちに少しづつ体に負の電荷がたまっていきます。
すると、金属でできたドアノブといった、電気が流れやすい物体に体が触れたときに、たまった電子がその物体に流れ出します。(=放電)。この瞬間に「バチッ」と音がするのです。つまり、あの「バチッ」という音は、静電気の放電に伴う音だったのです。
まとめ
今回学んだことをまとめてみましょう。
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- 静電気とは、物体にたまった「静止した電気」のこと
- 原子間で-の電荷(=電子)の移動が起こる
⇒電荷のバランスが崩れ、静電気が生まれる
今回は、身近な現象から静電気とは何かを考えました。
次回は、導体・不導体について説明します。