波の基本

この記事は約5分で読めます。

私たちのまわりには、音や電磁波 , 水面を伝わる波 , 弦の振動など様々な波が存在します。

物理基礎では、基本的な波の特徴を学び、音波について応用していきます。

 

波の伝わり方

波が伝わる仕組みを考えていきましょう。

 

スポーツ観戦で大勢の観客が一体となりウェーブを作っているのを見たことがあるでしょうか。

隣の人が立ったら自分も立ち、隣の人が座ったら自分も座るという動作をします。

これを大勢の観客がすることにより大きな波が生まれます。

 

実際の波も同じ仕組みです。

波を伝える物質のことを媒質といいます。先ほどの例では、大勢の観客が媒質となります。

媒質は粒子の集まりであり、隣の粒子の運動をまねしてしていくことにより波が伝わります。先ほどの例では人間1人1人が粒子となります。

 

別の例でも考えてみましょう。

大縄跳びで波を作って遊んだことはあるでしょうか。縄の一端を大きく振りかざすと波が縄を伝わっていきます。すなわち今回の媒質は縄となります。

この縄は粒子の集まりであり、一つ一つの粒子が隣の粒子に運動を伝えていきます。

下のgifは縄を粒子の集まりとしてみたときのイメージです。

縄跳びのgif

これが、波が伝わる原理です。

 

媒質がなければ波は伝わりません。

よって、真空中では媒質となる空気がないため、音は聞こえません。

 

正弦波

オシロスコープという波形を観察する機械を用いると、さまざまな波形を見ることが出来ます。その中で最も基本的な波形を見てみましょう。

正弦波

このような波形を正弦波といいます。正弦波は数学で使う\(\sin \)のグラフと同じであるため、別名サインカーブとも言われます。ただし、物理基礎では正弦波を\(\sin\)で表すことはしないため、このような形なんだということを理解するだけでOKです。

 

波のグラフの表し方

波を表わすグラフには2種類あります。この2種類のグラフの違いを理解することはとても重要です。では、それぞれのグラフを見ていきましょう。

 

\(y-x\)グラフ

波を\(y-x\)グラフで表したときのことを考えていきます。

y-xグラフ

この\(y-x\)グラフでは、ある時刻\(t\)における波と位置\(x\)の関係を示したものになります。

ここで重要なことは、「時間を固定している」ということです。

実際に目の前に波があり、それをカメラで写真を撮っているような感じです。写真では、ある時刻\(t\)のときの波と位置\(x\)の関係を見ることが出来ますね。

 

\(y-t\)グラフ

次に、波を\(y-t\)グラフで表したときのことを考えていきます。

y-tグラフ

 

この\(y-t\)グラフでは、ある位置\(x\)における波と時間\(t\)の関係を示したものになります。

ここで重要なことは、「位置を固定している」ということです。

ある位置\(x\)のところに行き、波と時間\(t\)の関係を記録しているイメージです。

 

また、波形において上に膨らんでいるところを「山」、下にへこんでいるところを「谷」といいます。

グラフの山と谷

 

波の基本的な物理量

周期

正弦波は、同じ波形が繰り返されています。

繰り返す波形

このとき、一つの波形が伝わるのにかかる時間を周期\(T\)といいます。

周期\(T\)は時間であるため単位は[s (秒)]になります。

また、\(y-t\)グラフで周期を表わすと次のようになります。

y-tグラフと周期

 

振動数

1秒間に何回波が繰り返されるかを表わす物理量を振動数\(f\)または周波数といいます。

振動数\(f\)の単位は[Hz (ヘルツ)]または[1/s]で表されます。

 

\(y-t\)グラフで振動数\(f\)を表すと次のようになります。

y-tグラフと振動数

 

波長

波形において、繰り返される波1つ1つの長さを波長\(\lambda\)といいます。

波長\(\lambda\)の単位は長さであるため[m (メートル)]です。

\(y-x\)グラフで確認してみましょう。

y-xグラフと波長

 

また、電磁波は波長によって区分されます。

波長が長いほうから、通信などで使う電波 , 赤外線 , 可視光 , 紫外線 , 医療で使われるx線(レントゲン線)などに分けられます。

可視光では、赤が最も波長が長く、紫が最も短いです。

だから、可視光よりも波長が長いのが赤外線、短いのが紫外線となります。

 

振幅

波が揺れる幅のことを振幅\(a\)といいます。この振幅が大きいほど波は大きくなります。振幅\(a\)の単位は長さであるため[m (メートル)]で表されます。

振幅\(a\)をグラフで確認してみましょう。

グラフと振幅

 

振動数と周期の関係

振動数\(f\)と周期\(T\)は逆数の関係があります。

つまり

\begin{align} f=\frac{1}{T} \ \ \ T=\frac{1}{f} \end{align}

また、変形すると

\begin{align} fT=1 \end{align}
となります。これはそれぞれの物理量の意味を考えてみれば当然成り立つものです。
(周期\(T\):繰り返す波1つにかかる時間)× (振動数\(f\):波が1秒に何回繰り返すか)=1秒

波の伝わる速さ

波が伝わる速さとは、1秒間にどれだけ波が進むかということです。よって、波長\(\lambda\)と振動数\(f\)の積で表すことが出来ます。

\begin{align} v=f \lambda \end{align}

ここで、気を付けるべきことは波の速さであって、媒質の速さではありません。
波が伝わるgif
この図をみると分かりますが、一つ一つの粒子は上下にしか運動していませんが、波は右方向へ動いていきます。