弦の振動

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弦の振動の公式が全然覚えられない…

線密度って何なんだ…

図を使って考えれば公式すら覚える必要がないよ!

ギターを例に説明していくね!

弦に伝わる波の速さ

弦に伝わる波の速さ

\begin{align} v=\sqrt{\frac{T}{\rho}} \mathrm{\ \ \ [m/s]} \end{align}
弦にかかる張力\(T \ \)[N]
弦の線密度\(\rho \ \)[kg/m]

 

なぜこのような公式になるのかギターで考えてみましょう。

 

ギターの弦

 

まず、波の速さは

\begin{align} v=f \lambda \end{align}

で表されます。

この式から、振動数\(f\)と速さ\(v\)が比例することがわかります。

つまり、音が高いほど 波が速く伝わります

よって、波の速さを考えるために、「どうしたら音が高くなるのか」を考えます。

 

弦の音を高くするには2つの方法があります。

  1. 細い弦を鳴らす
  2. 弦を強く張る

では、一つずつ見ていきましょう。

細い弦は高い音→波が速く伝わる

ギターの弦

ギターには太さの違う弦が6本張られています。

細い弦のほうが高い音が鳴るのは、みなさんもご存じだと思います。

 

この弦を1mの長さに切って質量を測ってみましょう。

 

線密度

 

すると、\(\rho\) [kg]と表示されました。

そうです。これが線密度\(\rho\)なのです。

線密度\(\rho\)は弦1mの質量を意味しています。

つまり、線密度\(\rho\)が小さいと 波が速くなります。

 

では、簡単にまとめてみましょう。

  1. \(v=f\lambda\)より 音が高い と 波が速く伝わる
  2. 音が高い弦は、細く軽いので\(\rho\)が小さい
  3. \(\rho\)が小さいと波が速く伝わる

 

速さの公式から\( \rho \)が小さいと、速さ\(v\)が大きくなることがわかります。

\begin{align} v=\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

 

 

弦の張力を大きくする→波が速く伝わる

ギターのヘッドにあるペグを巻いていくと、弦の張力が大きくなり音が高くなります。
弦の張力を説明するための画像

 

つまり、弦の張力\(T\)を大きくすることで音が高くなり、

弦に伝わる波は速くなります。

 

これは、輪ゴムのほうがわかりやすいかもしれません。

輪ゴムを強く引っ張った状態で音を鳴らすと高い音が出ます。

 

まとめると、

  1. 弦を強く張ると音が高い
  2. 波が速く伝わると音が高い
  3. 弦の張力が大きいと、波が速く伝わる

 

速さの公式から\(T\)が大きいと、速さ\(v\)が大きくなることがわかります。

\begin{align} v=\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

 

 

 

基本振動をおさえよう

 

長さ\(L\)[m]の弦を指ではじいてみましょう。

基本振動

ギターの弦をはじいたような定常波ができます。

この基本的な振動を基本振動といいます。

この形は重要なのでしっかり覚えましょう。

 

弦の両端は固定されているためとなります。

節と節の間隔は\(\frac{\lambda}{2}\)であるため

\begin{align} \frac{\lambda}{2}=L \end{align}

 

これより基本振動の波長は

\begin{align} \lambda=2L \end{align}

となります。

また、基本振動の振動数は\(v=f\lambda\)より

\begin{align} f=\frac{v}{\lambda}=\frac{v}{2L} \end{align}

となります。

基本振動
基本振動

\begin{align} \mathrm{波長\ } \lambda=2L\end{align}
\begin{align} \mathrm{振動数\ } f=\frac{v}{\lambda}=\frac{v}{2L}\end{align}

 

 

n倍振動を理解しよう

まず、2倍振動や3倍振動を見ていくことにします。

 

2倍振動

2倍振動

 

3倍振動

3倍振動

 

基本振動より波の数が増えましたね。

では、どれくらい増えたでしょうか。

 

2倍振動では、基本振動の波の形が2つ詰まっていることがわかります。

2倍振動の説明

 

長さ\(L\)に基本振動の波形が2つ入らなければいけないので

2倍振動の波長は、基本振動の波長の半分になります。

よって、波長は

\begin{align} \lambda = 2L(\mathrm{基本振動の波長}) \times \frac{1}{2}=L \end{align}

また、振動数は

\begin{align} f=\frac{v}{\lambda}=\frac{v}{L}=\frac{v}{2L}\mathrm{(基本振動数)} \times 2 \end{align}

となり、基本振動の2倍の振動数になります。これより、2倍振動というんですね。

 

同様に、3倍振動では基本振動の波形が3つ詰まっていることがわかります。

3倍振動の説明

 

長さ\(L\)のなかに基本振動の波形が3つ入らなければいけないので

3倍振動の波長は基本振動の\(\frac{1}{3}\)となります。

よって、3倍振動の波長は

\begin{align} \lambda = 2L \mathrm{(基本振動の波長)} \times \frac{1}{3}=\frac{2L}{3} \end{align}
また、振動数は
\begin{align} f = \frac{v}{\lambda} =\frac{3v}{L} =\frac{v}{2L}\mathrm{(基本振動数)} \times 3\end{align}
となります。
3倍振動の振動数は基本振動数の3倍になっています。だから、3倍振動というんですね。

 

では、n倍振動を考えます。
長さ\(L\)のなかに基本振動の波形がn個入らなければいけないので
n倍振動の波長は基本振動の\(\frac{1}{n}\)になっています。
これより、
\begin{align} \lambda=2L\mathrm{(基本振動の波長)} \times \frac{1}{n}=\frac{2L}{n} \end{align}

となります。

 

また、振動数は基本振動のn倍となるため

\begin{align} f=\frac{v}{2L}\mathrm{(基本振動数)}\times n=\frac{v}{2L}n \end{align}

となります。

 

基本振動
基本振動

\begin{align} \lambda=2L \end{align}
\begin{align} f=\frac{1}{2L}\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

2倍振動
2倍振動の説明

\begin{align} \lambda=L \end{align}
\begin{align} f=\frac{1}{L}\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

3倍振動
3倍振動の説明

\begin{align} \lambda=\frac{2L}{3} \end{align}
\begin{align} f=\frac{3}{2L}\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

n倍振動

\begin{align} \lambda=\frac{2L}{n} \end{align}
\begin{align} f=\frac{n}{2L}\sqrt{\frac{T}{\rho}} \end{align}

ちなみに、n倍振動のそれぞれにおける振動数を固有振動数っていうので覚えておこう!
もちろん、同じ固有振動数の音叉を近づけると共鳴します!