力学らしい内容に入っていきます
次は力について扱っていきましょう。これまでのところで苦手だな…と思っている方も大丈夫!物理学ならではの話が続きますから、ぜひ楽しみを見つけながら学習して欲しいです。
今回の目標は、力の合成と分解ができることです。
力の表現
力とは何か
物体は、力を加えると変形したり、加速したり(止まっている物体が動きだしたり)します。物体の状態変化の原因となるものが力なのです。
力は、矢印を使って図示することができます。
力の単位
力の大きさは、ニュートン[N]という単位を使って表します。ニュートン[N]は、物体の質量[kg]に物体の加速度[m/s\(^2\)]を掛けることで得られます。
例えば、質量1kgの物体は地上で9.8[m/s\(^2\)]の重力加速度を受けます。従って、この物体に働く重力は
となるのです。
力の合成・分解
力は速度と同じで、矢印を使って図示できました。つまり、大きさと向きを持つベクトル量なのです。従って、速度と同様に合成と分解ができます。
速度の合成・分解については基礎1-4 速度の合成・分解を参照してください。
力の合成・分解
複数の力を合成した力を、合力といいます。力は、速度と同じように⑴平行四辺形の形を作る⑵矢印をつなげる。の2通りの方法で合成できます。詳しく見ていきましょう。
⑴平行四辺形の形を作る
⑵矢印をつなげる
力を平行四辺形の対角線とみなすことで、力を分解することができます。合成のちょうど反対のことをするわけです。
力の成分の合成・分解
力を\( x \)軸方向と\( y \)軸方向に分解すると、力の合成・分解を数字で扱うことができます。これができることが、今後の学習でも特に重要になります!
2つの力\( F_1 , F_2 \)と、その合力\( F \)があるとしましょう。その\( x,y \)成分をそれぞれ
F_1のx成分:F_{1x} F_2のx成分:F_{2x}& Fのx成分:F_x\\
F_1のy成分:F_{1y} F_2のy成分:F_{2y}& Fのy成分:F_y
\end{align}
であるとします。このとき、次の関係が成り立ちます。
F_x=F_{1x}+F_{2x} , F_y=F_{1y}+F_{2y}
\end{align}
つまり、\( x \)成分どうし\( y \)成分どうしを足し算するのが合成。合力の\( x \)成分と\( y \)成分を2つに分けることが分解なのです。
まとめ
今回のまとめをしましょう。
- 力は矢印で図示できる。
- 力の単位[N]は質量[kg]×加速度[m/s\(^2\)]で得られる
次回は、フックの法則について学びましょう。