基礎1-7 鉛直投げ上げ・投げ下げ

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加速度 \( g \) 、初速度0の落下を自由落下運動といいましたが、初速度 \( v_0 \neq 0 \) の落下を鉛直投げ上げ・投げ下げといいます。読んで字のごとく、始めに上もしくは下向きに進んでいる落下運動です。

重要なポイントを先に出してしまいます。

・落下運動は、加速度 \(g\) の等加速度運動
投げ上げ・投げ下げで、重力加速度の項の正負が変わる
これらを頭に置いて、それぞれの運動について見ていきましょう。今回は、鉛直投げ上げ・投げ下げの現象を理解することが目標です。

鉛直投げ下げ

鉛直投げ下げは、初速度 \( v_0 \) の落下運動です。落下する物体には重力加速度が働きますから、加速度 \( g \) の等加速度運動を考えればいいのです。「投げ下げ」というくらいですし、初速度は下向きですから座標軸は下向きを正にとります

鉛直投げ下げ

このときの式を確認しておきましょう。

速度:\( v = v_0 + gt \)
変位:\( y = v_0 t + \frac{1}{2}gt^2 \)

鉛直投げ上げ

次に、鉛直投げ上げの運動を考えてみましょう。投げ下げは初速度が下向きでしたが、今度は初速度が上向きです。なので、座標軸は上向きを正にとります

 

鉛直投げ上げの式

投げ上げのときは、鉛直上向きに座標軸をとるので重力加速度の項は負になります!

鉛直投げ上げ

ですから、鉛直投げ上げのときの式は次の様になります

速度:\( v = v_0 – gt \)
変位:\( y = v_0 t – \frac{1}{2}gt^2 \)
また、鉛直投げ上げのとき物体はまず上昇して、一瞬止まった後に今度は下降を始めます。止まってからの運動は、自由落下と全く同じです。
一瞬止まるときの位置を、最高点といいます。

覚えると便利な性質

鉛直投げ上げの問題を解く上で覚えておくと便利なことを二つ紹介しておきます。

  1. 同じ高さのとき、速さは同じ
  2. 最高点に達するまでの時間は、初速度÷加速度

便利なことは積極的に覚えて、問題を解くときの頭を軽くしましょう。

それぞれについて、順番に説明します。

⑴同じ高さの時、速さは同じ

投げ上げた物体は、しばらくしてまた下に落ちてきますね。この物体の運動は、最高点に達したときを境に、同じ速さで全く逆向きの動きをしています

高さと速度

ですから、投げ上げた物が同じ高さに落ちてきたとき、その速さはちょうど投げ上げたときの速さに等しくなるのです。

⑵最高点に達するまでの時間は、初速度÷加速度

よく、最高点に達するまでの時間が聞かれたりします。こんなとき楽ができるように、公式を使う以外の頭の動かし方を紹介します(きっと、どの式を使ったらいいの?とかなるので…)。

最高点に達するまでの時間とは、「投げ上げた速度が減速して0になるまでの時間」に他なりません。加速度は「速度が1秒でどれだけ変化するか」でしたから、変化する速度を加速度で割ればよいのです。

今回の場合、加速度とは重力加速度 \(g\) ですから、時間=初速度÷重力加速度の式で求まります!また、⑴で説明したとおり運動の様子は最高点を境に対称ですから、元の高さに戻ってくるまでの時間は、最高点に達するまでの時間の2倍です。

例えば、初速度19.6 [m/s] で投げ上げたときの運動を考えましょう。このとき、

\begin{align}
時間 &= 初速度 \div 重力加速度\\
最高点までの時間 &= 19.6 \div9.8\\
&=2.0秒
\end{align}

従って、最高点までの時間:2.0秒 元の高さに戻ってくるまでの時間:4.0秒 が簡単に求まります。

 

まとめ

今回のポイントをまとめます。

  1. 鉛直投げ下げ(初速度下向き)は、座標軸を下向き正にとる
  2. 鉛直投げ上げ(初速度上向き)は、座標軸を上向き正にとる。重力加速度の項は負になるので注意!

次回は真上や真下に投げるのではない、水平投射と斜方投射を勉強しましょう。