基礎1-5 加速度と等加速度運動

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今まで勉強してきた速度や速さは、ずっと同じ大きさで、時間によって変わったりしませんでした。しかし、実際の運動はそうもいきません。日常で目にする運動の速度は、瞬間瞬間で変化します。速度が変わる運動を扱うために、加速度について学びましょう。

今回は、加速度の意味を理解し、等加速度運動の式を2つ覚えるところまでが目標です。

 

加速度とは

加速度とは、「速度が1秒でどれだけ変化するか」です。式で書くと次のようのようになります。

時刻 \( t_1 \) で速度 \( v_1 \) だった物体が、時刻 \( t_2 \) で \( v_2 \) になったとき
\begin{align} 加速度:a = \frac{ v_2 – v_1 }{ t_2 – t_1 } \end{align}

速度が「大きさ」と「向き」を持っていたように、加速度も「大きさ」と「向き」を持ちます。つまり、加速度も負の値となることがあるのです。負の加速度は、「正の方向に減速している」と言い換えることもできます。

 

等加速度運動

 

等加速度の式 その1(速度の式)

加速度は「速度が1秒でどれだけ変化するか」を表す量でした。従って、加速度に時間 \( t \) をかければ、\( t \) 秒間の速度の変化量になります。この変化量を初速度に足せば、\( t \) 秒後の速度 \( v \) になります。これを式で表すと次のようになります。

初速度 \( v_0 \) , 加速度 \( a \) のとき、\( t \) 秒後の速度 \( v \) は
\begin{align} v = v_0 + at \end{align}

 

等加速度の式 その2(変位の式)

等加速度運動のとき、変位について次の式が成り立ちます。

\begin{align} x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2 \end{align}

等加速度運動の変位は、⑴平均速度を考える方法、⑵グラフから考える方法、の2通りの考え方があります。

⑴平均速度を考える方法

初速度 \( v_0 \) と \( t \) 秒後の速度 \( v \) の平均 \( \overline v \) は、

\begin{align}
\overline v = \frac{ v_0 + v }{ 2 }
= \frac{ v_0 + v_0 + at }{ 2 }
= v_0 + \frac{1}{2}at
\end{align}

変位 \( x \) は平均速度 \( \overline v \) を用いて、 \( x = \overline v t \) と書けるから

\begin{align} x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2 \end{align}
⑵グラフから考える方法

下の図は、速度 \( v \) を縦軸、時間 \( t \) を横軸にとったグラフです。

v-tグラフから変位をだす

このようなグラフを「\( v \)-\( t \)グラフ」とよびますが、このグラフの面積は変位に等しいです。つまり、このグラフの面積の部分が距離を表します。

再び上のグラフを見ると、距離は図の台形の面積に等しいです。下の四角形の面積が \( v_0 t \) 、上の三角形の面積が \( \frac{1}{2}at^2 \) ですから、距離は

\begin{align} x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2 \end{align}

と求まります。

 

等加速度の式 その3

便利な式としてよく

\begin{align} v^2 – v_0^2 = 2ax \end{align}

という式が教科書やなんかでとりあげられます。確かに、式(その1)と(その2)から時刻\( t \)を消去すれば(式その3)が得られるのですが、これは覚えなくて大丈夫です。いくつか方法がありますが、一応導出についても書いておきます。

⑴「時間 \(t\) を消去する」と覚える
\( v = v_0 + at \)より \( t = \frac{v-v_0}{a} \) を変位の式に代入

\begin{align} x = \frac{v_0(v-v_0)}{a} + \frac{1}{2} \frac{a(v-v_0)^2}{a^2} = \frac{2vv_0-v_0^2+v^2-2vv_0+v_0^2}{2a} = \frac{v^2-v_0^2}{2a} \end{align}
\begin{align} v^2 – v_0^2 = 2ax \end{align}

⑵\(v^2\)の「あと」ー「まえ」から技巧的に変形

\begin{align}
v^2 – v_0^2 = (v-v_0)(v+v_0) = (at)(2v_0 + at) = 2at(v_0 + \frac{1}{2}at) = 2a(v_0t + \frac{1}{2}at^2) = 2ax
\end{align}

ここで

\begin{align}
v = v_0 + at , x = v_0t + \frac{1}{2}at^2
\end{align}

を利用しました。
個人的にはずっと疑問なのですが、(式その3)の導出はしても意味について語られることは、まずありません。(式その3)はエネルギー保存則の式です!

 

まとめ

物理基礎の力学では、加速度の問題のほとんどで等加速度です。そこで、加速度で速度と変位を表す式がとても重要になります。今回のポイントをしっかり覚えましょう。

① 加速度とは「速度が1秒でどれだけ変化するか」を表す量

加速度 \( a \) の等加速度運動で
② 速度:\( v = v_0 + at \)
③ 変位:\( x = v_0 t + \frac{1}{2}at^2  \)

次回からは、物体が重力によってどのように運動するかを取り扱います。