基礎1-4 速度の合成・分解

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これまでの勉強で、我々観測者はずっと静止している状態として、変位や速度を扱っていました。しかし実際には、観測者が動いていることだってあり得ます。

また、物体が動くとき地面は止まっていると思ってました。ところが、動く地面の上を物体が運動する場合もあります。

今回は、このようなときに運動をどう表すかについて勉強しましょう。目標は、速度を合成・分解できることです。

 

速度の合成

 

直線上の合成速度

まずは、地面が動いている場合を考えましょう。右向き正の座標軸をとります。

右向きに歩く人がいるとき、歩道が右に動いていれば人の速度は増加します。逆に、歩道が左に動いていれば、人の速度は減少します。

このように、同じ直線上の速度は足し算で合成できるのです。この足し算された速度を、合成速度といいます。

速度\( v_1 \)で動く物体が速度\( v_2 \)で動く地面の上を運動するとき、物体の合成速度\( V \)は次のように、足し算で表されます。

\begin{align} 合成速度:V = v_1 + v_2 \end{align}

注意! \( V \) , \( v_1 \) , \( v_2 \) は速度ですから、負の数の可能性があります

 

矢印と合成速度

直線上の合成速度は、足し算で計算できました。しかし、同じ直線上でなかったときは足し算では計算できません。このような場合の合成速度を、矢印で表すことを考えてみましょう。

下の図を見て下さい。合成速度の求め方は次の2通りあります。矢印の根元を始点と呼びます。

始点をくっつけて平行四辺形

速度の合成を表わす図

 

 

⑵矢印をくっつける

 

別の速度の合成を表わす図

それぞれの方法は、図の通りとしかいいようがありません。

 

速度の分解

矢印を使って速度を合成できました。この逆をすれば、速度を分解できます。つまり、速度を平行四辺形の対角線とみなして分解するのです。

例えば下の図は、ある速度を2つの速度に分解しています。速度の分解を表わす図

 

 

相対速度

ここで、速度の問題で度々登場する相対速度について確認しましょう。

 

直線上の相対速度

相対速度とは、動く物体から互いを見たときの速度のことです。相手の速度から自分の速度を引くことで計算できます。これだけだとよくわからないので、もう少し具体的に見ていきましょう。

右向きを正とした座標軸をとります。速度 \( v_1 \) の物体Aと速度 \( v_2 \) の物体Bがあるとします。このとき、相対速度(Aから見たBの速度)は次の式で表されます。

\begin{align} 相対速度: V = v_2 – v_1 \end{align}
\begin{align} 相対速度 = \left( Bの速度 \right) – \left( Aの速度 \right) \end{align}

相対速度は、相手の速度から自分(観測者)の速度を引いて計算できると覚えておきましょう。

 

矢印と相対速度(発展)

速度が同じ直線上にないとき、相対速度も矢印を使って考えることができます。
下の図を見て下さい。相対速度は、「始点をそろえたとき、自分の矢印の先から相手の矢印の先へ延びる矢印」で表されます。

 

相対速度を表わす図

 

まとめ

今回は少しポイントが多めでしたが、速度の合成・分解のところは特に重要です。ここだけは覚えましょう。ポイントのまとめをします。

① 同じ直線上の速度は、足し算で合成できる
② 速度の合成・分解は ⑴始点をそろえて平行四辺形 ⑵矢印をつなげる
③ 相対速度は、相手の速度から自分の速度を引く

これまで、速度について勉強してきました。

次回からは、速度が変化するときの扱いについて勉強していきましょう。