基礎1-12 静止摩擦力と動摩擦力

この記事は約3分で読めます。

これまで、力とはどういうものかを学習してきました。次は日常生活でよく目にするけど、今まで出てこなかった特別な力(摩擦力・圧力・浮力)について学びましょう。

今回の目標は、摩擦力の性質を理解することです。

 

静止摩擦力

「マサツ」という言葉を耳にしたことはあるのではないでしょうか?手をこすり合わせると「摩擦熱」で暖かくなるとか、自転車は車輪とブレーキの「摩擦」で止まるとか、あるいは別のどこかで摩擦について聞いたことがあるかもしれません。

2つの物体が接触しているとき、物体どうしの動きを妨げる方向に力が働きます。これを摩擦力というのです。摩擦力といっても物理では計算で扱うわけですから、いくつかの種類と性質があります。詳しく見ていきましょう。

 

静止摩擦力

たくさんの本が入った箱を押しても、簡単には動きません。これは動かそうと押す力と反対向きに摩擦力が働くからです。

静止した物体に働く摩擦力を静止摩擦力といいます。静止摩擦力は、物体を動かす向きの力と同じ大きさでちょうど逆向きに働きます。つまり、物体に加わる力に応じて静止摩擦力は変化します

静止摩擦力は大きさで変わる

これは、静止している物体は力がつり合っている(合力が0)からです。

 

最大静止摩擦力

では動かそうとする力と静止摩擦力が同じなのに、どうして物が動くのでしょう?

それは、静止摩擦力に上限があるからです!静止摩擦力の上限、つまり最大値を最大静止摩擦力といいます。最大静止摩擦力は、計算で求めることができます!

最大静止摩擦力\( f_s \)は、静止摩擦係数\( μ \)と垂直抗力\( N \)の積で表される

\begin{align}
f_s = μN
\end{align}

この静止摩擦係数\( μ \)とは、物体の種類によって決まる定数です。

 

動摩擦力

互いに接して動いている2つの物体の間に生じる摩擦力を、動摩擦力といいます。

動摩擦力は物体に加わる力や動く速度に関係なく一定の値になり、次のように求めることができます。

動摩擦力\( f_m \)は、動摩擦係数\( μ’ \)と垂直抗力\( N \)の積で表される

\begin{align}
f_m = μ’N
\end{align}

動摩擦力

物体が静止していたら静止摩擦力が働き、物体に加わる力と同じ値になります。物体が動いていたら動摩擦力が働き、その値は一定です。この二つの摩擦力の区別ができるように注意してください!下の図は、物体に加える外力\( F \)を変化させたときの摩擦力の変化を表したものです。

静止摩擦力と動摩擦力

 

まとめ

静止摩擦力と動摩擦力について、理解することができたでしょうか?

改めてポイントをまとめましょう。

  • 静止摩擦力は外力に応じて変化する
  • 最大静止摩擦力は
    \begin{align}
    f_s = μN
    \end{align}
  • 動摩擦力は速さや外力に関係なく一定
  • 動摩擦力は
    \begin{align}
    f_m = μ’N
    \end{align}

次回は、圧力と浮力の計算を扱います。