基礎1-11 力のつり合いと作用・反作用の法則

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前回は、力とはどんなものかを学びました。今回はさらに進んで、物体に働く力とその法則について勉強しましょう!

先に最大のポイントを書いてしまいます。
物体に働く力は、次の2種類しかありません!

① 物体に触れていない物からの力(重力・電磁気力だけ)
② 物体に直接触れている物からの力

目標は、物体に働く力を書き出せるようになることです。

 

物体に働く力

あらゆる物体は、必ず他の物体から力を受けます。物体に働く力は、次の2種類しかありません。

① 重力・電磁気力(物体に触れていない物からの力)
② 物体に直接触れている物からの力

①のように、力を及ぼしあう物体が互いに触れていないときの力を、遠隔力。
②のように、直接触れ合った物体が及ぼしあう力を、接触力といいます。

 

力の例1(垂直抗力)

物体を机や床に置くと物体は静止します。このとき物体は、重力を押し返す力を机や床から受けています。この力を垂直抗力といいます。

重篤と垂直抗力

垂直抗力と重力が互いに相殺しあうので、物体に働く力はつり合うのです。

 

力の例2(糸の張力)

糸がぴんと張っているとき、糸に働く力を張力といいます。糸の質量が無視できるとき、張力は糸のいたるところで同じ大きさになります。

張力

 

力のつり合い

ある1つの物体に働く力を全て合成して、その合力が0となるとき、力がつり合っているといいます。力がつりあっているとき、速度は変化しません。つまり、その物体は静止あるいは等速直線運動をします。詳しくは運動方程式を参照してください。

力のつり合いは、\( x \)軸方向と\( y \)軸方向でそれぞれ分けて考えると楽です。例題で具体的にどうすればよいのかを見てみましょう。

 

例題:力のつり合い

床の上に質量\( m \)の物体が置かれており、床から垂直抗力\( N \)を受けているとする。重力加速度が\( g \)であるとき、糸の張力\( T \)を\( m,g,N \)を用いて表せ。

問題図

解答:力のつり合い

まず、物体に働く力を全て書き出します。

  1.  遠隔力は重力のみ。
  2.  物体に触れている物は糸と床。だから、接触力は糸の張力と床の垂直抗力。

すべてを書き出すと下図のようになります。

解答図

力が書き出せたので、次にある1つの物体に働く力を1つの式にします。間違え無いように、左辺に上向きの力・右辺に下向きの力を集めましょう。

\begin{align}
上向きの力 &= 下向きの力\\
T + N &= mg
\end{align}

最後に、張力\( T \)を求めたいので、\( T=… \)の形にしましょう。

\begin{align}
T = mg - N
\end{align}

これで解答は完成です。

 

作用・反作用の法則

ある一つの物体全体に対して成り立つ状態が、力のつり合いでした。これに対して作用・反作用の法則は、2つの物体の間で成り立ちます。

例えば、2つのボートを考えましょう。片方のボートの人がもう片方を押すと、ボートは互いに離れていきます。このとき、押されたボートは動きますが、押した側も同じように動き出します。押したのと同じ力で押し返されたからです。

2つの物体が互いに力を及ぼしあうとき、その大きさは等しく向きは反対になります。これが作用・反作用の法則です!物理では、計算できることが大切なので、これも式であらわしてみましょう。

作用・反作用の法則

\begin{align}
F_{AB}:&AがBから受ける力\\
F_{BA}:&BがAから受ける力   とすると、\\
F_{AB}&=-F_{BA}
\end{align}

この作用・反作用の法則は、物体どうしが接しているいないに関わらず成り立ちます。「物体に働く力」の節でも書きましたが、力を及ぼしあう物体は接しているとは限りません。ですから、作用・反作用の法則を考えるときは、どの2つの物体に対して成り立つのかを常に気を付けてください。

 

注意:作用・反作用と力のつり合いの違い

作用・反作用と力のつり合いの違いについて、もう少し注意しておきましょう。

外力\( F \)を受けて運動する物体を考えましょう。問題です。この物体で、作用・反作用の法則と力のつり合いはそれぞれ成り立っているでしょうか?

答えは、作用・反作用の法則のみ成り立つです!物体に働く力を全て書くと、下図のようになります。水平方向の合力は明らかに0ではないので、力のつり合いは成立してません。

物体に加わる力

しかし、物体に外力\( F \)を加えた物にも同じく力\( F \)分の反作用が働くはずで、作用・反作用の法則は成り立つのです。こちらは2つの物体(動く物体と外力を加えた物体)の間で成り立つ法則でした。

 

まとめ

今回はたくさんの要点があります。もう一度見直してみましょう。

  • 物体に働く力は次の2種類で、必ず他の物体から受ける
      1. 重力・電磁気力
      2. 接しているものから受ける力
  • 力のつり合いとは、合力が0になること
  • 作用・反作用の法則
    2つの物体が及ぼしあう力は互いに同じ大きさで逆向き