合成関数の微分

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 次に、合成関数の微分公式の証明をしてみよう。「そもそも合成関数って何?」という人もいると思うので、1項目で合成関数について簡単に説明し、2項目で合成関数の微分公式の証明を行う。

合成関数とは?

 では、合成関数について説明していこう。合成関数とは、関数に依存した関数のことである。関数\(f(x)\)が関数\(g(x)\)に依存しているとき、
\[f(g(x))\]
と表す。関数が\(f(g(x))\)のように表されるとき、これを\(g\)と\(f\)の合成関数という。\(f(g(x))\)は
\[f \circ g\]
と表記することもある。
 今までの関数は、\(f(x)\)の( )の中身が\(x\)や\(t\)といった単純な文字であったが、それが\(3x\)や\(x^2\)や\(\sin x\)といった、関数になったものである。例えば、\(f(x^2)=\cos (x^2)\)という関数を考える。ここで\(g(x)=x^2\)とすると、
\[f(x)=f(x^2)=f(g(x))\]
と表せる。もう1つ例を挙げよう。関数\(f(x)=3x^2\)、\(g(x)=x+1\)があったとき、\(f\)と\(g\)の合成関数を考えると、
\[f(g(x))=f(x+1)=3(x+1)^2\]
となる。\(f(x)\)の( )の中が、\(x\)ではなく\(g(x)\)になっているので、\(x\)のところに\(g(x)=3x+1\)を代入すればよい。毎回\(f(g(x))\)と\(g(x)\)を書くのは面倒なので、よく\(u=g(x)\)といった感じで\(g(x)\)を他の文字に置き換えることがある。これを置換という。
 先程の例\(f(x)=\cos (x^2)\)で見てみると、\(u=x^2\)と置換すれば、\(f(x)\)は
\[f(u)=\cos u\]
というふうに書き換えられ、見やすくなる。「見にくいところは文字で置換する」、というのは非常に重要なテクニックなので覚えておくとよい。

合成関数の微分公式の証明

 合成関数が大体どんなものなのかを理解したところで、いよいよ合成関数の微分公式の証明を行う。
\(f\)と\(g\)の合成関数\(f(g(x))\)の微分は以下のように表される。
\[(f(g(x)))’=f'(g(x))\cdot g'(x)\]
では、微分の定義式にあてはめてみよう。

\[\{f(g(x))\}’=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{f(g(x+h))-f(g(x))}{h}\]

ここで\(\frac{g(x+h)-g(x)}{g(x+h)-g(x)}\)をかけると、
\[\begin{align}
\{f(g(x))\}’&=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{f(g(x+h))-f(g(x))}{g(x+h)-g(x)}
\frac{g(x+h)-g(x)}{h} \\\\
\end{align}\]
\(\frac{f(g(x+h))-f(g(x))}{g(x+h)-g(x)}\)は、微分の定義式の\(x\)が\(g(x)\)に置き換わったと考えると、
\[\displaystyle \lim_{ h \to 0 }\frac{f(g(x+h))-f(g(x))}{g(x+h)-g(x)}=f'(g(x))\]
また、\(\displaystyle \lim_{ h \to 0 }\frac{g(x+h)-g(x)}{h}\)は定義式からわかるように\(g'(x)\)である。
従って、
\[\begin{align}\{f(g(x))\}’&=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{f(g(x+h))-f(g(x))}{g(x+h)-g(x)}\frac{g(x+h)-g(x)}{h} \\\\
&=f'(g(x))\cdot g'(x)
\end{align}\]

 これも積の微分と同様、覚えなければならない公式である。しかし、この形で覚えていても実際には使いづらい。合成関数の微分を行うときには「”かたまり”微分の”なか”微分」を頭に入れておくとよい。
 具体例で考えてみよう。関数\(f(x)=(2x+1)^3\)を微分してみよう。合成関数を微分するときは、以下の3つのstepを踏んで考えるとよい。
step1: “かたまり”微分
 \(u=2x+1\)と置く(つまり\(u=g(x)\)である)と、
\[f(u)=u^3\]
となるので、これを\(u\)で微分すると、
\[f'(u)=3u^2\]
これは公式の\(f'(g(x))\)にあたる。
step2: “なか”微分
 \(u=2x+1\)を\(x\)で微分すると、
\[u’=(2x+1)’=2\]
これは公式の\(g'(x)\)にあたる。
step3; \(2\)つをかける
 \(f'(g(x))\)と\(g'(x)\)をかけあわせる。したがって、答えは
\[\{f(g(x))\}’=6(2x+1)^2\]
となる。
合成関数の微分方法の図